人と繋がり、人に繋げる

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私は年をとったら、おばあちゃんに言われた通り、誰かと繋がり、誰かが元気になる源になりたいと思った。 そして、ようやくそれは現実となろうとしている。 私は今、おにぎり食堂『そよかぜ』というお店の店主をしている。 どこからかやって来た、わんちゃんと一緒に。 ここはとても田舎で、村の人以外は中々通らない場所。 だけど、そう言う場所にやって来る人こそ、ここを必要として運命的に出逢える人だと思う。 そのお客様が、私のお料理を食べて笑顔になり、この空気の綺麗な自然と触れて、命を感じて幸せになってくれたら、どれ程うれしいだろうか。 開け放った店の玄関や窓から入る、優しいそよ風と、暖かい太陽の光。 楽しげな虫の鳴き声に耳を澄ませながら、私は今日も土鍋で炭を入れたご飯を炊いている。 その隣では、田舎味噌を使ったお味噌汁が、良い香りをお店に漂わせ、作っている私もお腹が空いてくる。
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