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その後、半年も経たないうちにおばあちゃんは亡くなってしまった。
老衰だと聞いた。
母が亡くなったときよりも、私は泣いた。
私にとっては、おばあちゃんが居たからこそ乗り越えられた幼少期だったから。
おばあちゃん食堂の存在が、私が笑顔でいられる元気の源だったから。
おばあちゃんは最後に会ったとき、いつもは『どちらさま?』と言うのに、1度だけ私の名前を呼んでくれた。
「チビちゃん」ではなく、名前を呼んで『美人さんになったねぇ』と笑ってくれていた。
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