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霞城に連れられ向かった先はタイヨウスーパーの近くにある住宅街。
同じような家が立ち並ぶ中、鴫野さんの家があった。
玄関に設置してあるインターホンを押すとはい?と返事が返ってくる。
「すいません。お電話頂いた霞城です」
「あ、すいません。霞城さんでしたか。ちょっと待って下さい」
「はい」
すると玄関の鍵が開く音が聞こえ、中から鴫野さんが顔を覗かせる。
「どうぞ……って若いのね」
「はい、私達高校生です」
「ええ? 高校生? ……まぁ、まず入って」
「失礼します」
俺達が高校生だという事に驚く鴫野さんに驚く俺。
まさかとは思い、霞城に聞くと。
「当たり前じゃない。高校生って書いたら電話来ないでしょ」
「それ大丈夫なのかよ」
「大丈夫、大丈夫」
ニコッと笑い中へと入って行く。
続いて俺もお邪魔する。
「ごめんね、お茶しかなくて」
「あ、いや、全然大丈夫です。有難うございます」
通された先は1階のリビング。
テーブルやソファ、テレビに本棚と綺麗に纏まっているリビングだ。
「でも驚いたわ。まさか高校生だなんて」
「すいません、書いてなくて。……でも安心してください。私たちはこう見えてそういう類の事件を何十件と解決してきました!」
嘘を言うな、嘘を。
俺達のやって来たことなんて猫探しや草むしりだぞ。
「そ、そう? じゃあ、ちょっと聞いてくれる?」
「はいもちろん」
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