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「……では失礼します。取り敢えず何か分かったりしたら連絡か、また訪問します」
「はい。こちらこそ聞いてもらってありがとう。ちょっとスッキリしたわ」
「あ、では……」
ペコリと会釈をし鴫野さん宅を離れる。
後は聞いた場所を回るだけだ。まだ灯里ちゃんの霊が残っていたら答えを出すのは容易い。本人に直接聞けばいいからな。
「……で、まずはどこに行くの?」
「そうだな、やっぱ先に遠い所かな。公園は住宅街越えたらすぐらしいから、まずは海だな」
「海ね。了解」
「別に俺一人でも行ってくるぞ?」
「何よ? 足手まといとでも言いたいの?」
「違う違う。海はここと違ってもっと寒いし、電車使うからお前の自転車を置く所がないだろ」
「それは大丈夫、自転車は学校に停めておけばいいし。中に着込んでいるから今はむしろ暑いくらいだから」
「あ、そう。ならいいけど」
「じゃ、私は自転車を学校に停めてくるから、クレハは駅で待ってて」
そう言い去っていく霞城。
時計を見ると針はすでに13時を過ぎようとしていた。
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