-2-

8/8
前へ
/31ページ
次へ
「……では失礼します。取り敢えず何か分かったりしたら連絡か、また訪問します」 「はい。こちらこそ聞いてもらってありがとう。ちょっとスッキリしたわ」 「あ、では……」 ペコリと会釈をし鴫野さん宅を離れる。 後は聞いた場所を回るだけだ。まだ灯里ちゃんの霊が残っていたら答えを出すのは容易い。本人に直接聞けばいいからな。 「……で、まずはどこに行くの?」 「そうだな、やっぱ先に遠い所かな。公園は住宅街越えたらすぐらしいから、まずは海だな」 「海ね。了解」 「別に俺一人でも行ってくるぞ?」 「何よ? 足手まといとでも言いたいの?」 「違う違う。海はここと違ってもっと寒いし、電車使うからお前の自転車を置く所がないだろ」 「それは大丈夫、自転車は学校に停めておけばいいし。中に着込んでいるから今はむしろ暑いくらいだから」 「あ、そう。ならいいけど」 「じゃ、私は自転車を学校に停めてくるから、クレハは駅で待ってて」 そう言い去っていく霞城。 時計を見ると針はすでに13時を過ぎようとしていた。
/31ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1人が本棚に入れています
本棚に追加