1人が本棚に入れています
本棚に追加
「へぇー、結構遊びやすそうね。流れも速くないし」
確かに川の流れはゆっくりで、周りも大きい石もなく草木も所々生えているのを見るとこれくらいが川の範囲なのだろう。十分にバーベキューする広さや子供が遊べる余裕がある。時期なれば人もたくさん来るのだろう。
「どう、今度はいる?」
「……いねぇな。そもそも幽霊がいねぇ」
「え? 幽霊もいないの?」
「ああ、確かに珍しい、川にいないのは」
だいたい何体かはいるんだけどな。
なんて考えていても、いないものは仕方がない。
諦めて帰ろうとしたが、霞城がそれを遮る。
「どうせなら少し遊んでこうよ」
「はぁ? こんな寒いのにか?」
「別に肩まで浸かるわけじゃないわよ。足までよ、足まで」
「まだ、公園と学校が残ってるんだぞ?」
「それは明日でいいじゃん」
「いいじゃんって……。あ、おい!」
まるで俺の言葉なんて聞き入れずその場で靴を脱いで川に入って行く。
「クレハもおいでよ。寒いけど結構気持ちいいわよ!」
そう言って足でパシャパシャしながら遊ぶ霞城。
確かに見ていると結構気持ちよさそうだ。
「はやくはやく!」
「ああ、もうわかったよ!」
入ってみると思わず童心に帰ってしまい霞城と何が面白いのか足でパシャパシャ遊びを楽しむと、帰る頃には日が暮れて体もいい感じに疲れたのでその日は解散する事となった。
最初のコメントを投稿しよう!