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そんな感じで午前は過ぎ、仲直りの儀式として2人で昼食を食べていると雨はいつの間にか止んでいた。
携帯を見ると今から集合のメールが入っていたので、燈火に出てくると伝え一応傘を持って部室へと向かう
「遅い」
「何回も言うけど、俺は電車で来てんだよ」
学校に着くと既に校門に待ち構えている霞城。
相変わらず文句が多い。
「今日は学校にいきましょ」
「学校ね、……って俺たち灯里ちゃんの学校知らねぇじゃん」
「大丈夫、ちゃんと聞いてきたから」
「おっ、やる」
「もっと感謝しなさい!」
「おっ! やるぅ!!」
「そういう事じゃないわよ!」
と何処かでした覚えのあるやり取りしながら向かった先は、タイヨウスーパーの近くにある小学校。
校門の外から眺めると見た目は何処にでもありそうな小学校で、今日は小学生も春休みなのか校庭には誰もいない。
「どう? いる?」
「あー、いるな」
「子供?」
「うん子供。でも灯里ちゃんかどうかは此処からじゃ分からん」
「うーん……、やっぱ入るしかないか……」
校庭には数体の幽霊が歩いたり座ったりしている。どれも子供だ。
しかし、ここからでは顔が見えず灯里ちゃんかどうかは分からない。
ちなみに灯里ちゃんの顔は鴫野さんと昼飯を食べている時に写真を一枚頂いた。
「でもどうやって入るんだよ?」
「この校門を越えるしかないでしょ」
「いや、それはバレるだろ」
「でもそれしか手はなくない?」
「……確かに」
「じゃあ、いってらっしゃい」
「え? 俺だけ行くの?」
「当たり前でしょ、私が言った所で何も見えないんだし」
そうだった。幽霊が見えるのは俺しかいないんだ。
「大丈夫、私はここから見張ってるから。誰か来たらすぐ教えるわよ」
「頼んだぞ。……んじゃ、行ってくるよ」
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