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「……では案内しますね」 「はい、お願いします。……霞城、お前はどうする?」 「私はここでこの美味しいお茶飲んで待ってるわ」 ズズーとお茶を飲み優雅にテレビを見る霞城。ここはお前の家かよとツッコミたいがここは我慢し、鴫野さんの後をついて行く。 「ここが灯里の部屋です。一応掃除はしているから綺麗だと思うわ」 部屋の場所は2階。 奥には夫婦の部屋が見える。ちなみに夫は単身赴任らしい。 「失礼します」 扉を開け中に入ると、驚くほどスッキリしていた。 あるのは勉強机にクローゼット、大きめのベッドにクローゼット。小学生らしいものと言えばベッドの上に置いてある千葉県にあるテーマパークのキャラクターぬいぐるみ数体しかない。 妹の燈火が小学生の時と比べると雲泥の差だ。 「結構、スッキリしてますね」 「驚いたでしょ? あの子誰に似たのかとてもキレイ好きでね、休みの日はよく夫と掃除してたのよ」 旦那さんに似たのか。 「そうなんですか。あ、すいませんがちょっとだけ見ていいですか?」 「ええ、どうぞ」 では失礼して、と部屋をグルグル見て回るが本当に何も無い。写真は数枚貼られているがどれも旅行で撮った写真ばっかで、捜し物には関係なさそうだ。 机を見ても3年前で止まっている教科書や宿題だけ。本当にキレイ好きだったらしい。 「どうでしょう? 何かわかりましたか?」 「……すいません。何も……」 「そう、確かにこの部屋じゃあね……」 何か重い空気が充満する。 「あ、そうだ。ごめんなさい。私4時から病院に行く予定があって……」 「そうでしたか、すいません。忙しい時間に、じゃあ、これで俺たちは……」 と、部屋を出ようとした瞬間、何故か目についたのは教科書と教科書の間に挟まっていた3冊の手帳。 何故かその手帳が気になり、鴫野さんの目が離れたスキにポケットに忍ばせた。
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