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気がつくと空は紅く染まっていた。
時計を見るともう午後5時。
あれからずっと配っていたのか俺たち、と終わった瞬間一気に疲れがのしかかる。
「で、この後どうすんだ? 解散か? それとも一回部室に戻るのか?」
「冗談でしょ。この体で5階まで登ったら私死ぬわよ」
そうなのだ。
俺達の部室は5階建ての部室棟の5階、更には一番端っこというアパートだったら最高の物件だが、通う必要のある部室にとっては最悪の物件なのだ。
そんな場所に朝から足を運ぶ俺達もどうかと思うが、今の体では絶対行きたくない。
「ここで解散するわ。私は自転車を取りに学校に戻るけど……クレハどうするの?」
「俺は電車通学だからさっきの駅に……、いや、俺も一回学校に戻るわ」
そんな目をされたらね……。
「そ、なら駅まで自転車に鞄入れてあげるわ」
「そりゃどうも」
「もっと感謝しなさい!」
「そりゃ!どうも!!」
「そういう事じゃないわよ」
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