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翌日3月26日の日曜日。 今日も朝から部室に向かうと、もうすでに部長の霞城雫は自腹で購入したソファの上で、1枚の紙を見ながら唸っていた。 「おはようさん、朝から何唸ってんだ?」 「おはよ、昨日見せた勧誘用のビラ、あれから考えてたんだけど中々いいのが思い浮かばなくて、困ってんのよ」 「ああ、あれか」 昨日見せられたやけに見づらいビラ。 確かにあのまま見せても誰も食いつかないだろうしな。 「というかこの同好会……あーいや、サークルって俺みたいに力がないと入れないんだろ? だったら別にビラなんて作んなくても先輩みたいに見つけたらスカウトする形でいいんじゃないか?」 「私もそう思ってたんだけどねー。流石にこの人数からスカウトなんてキツイし、と言うかメンドイし、先輩だってほぼ向こうから来てくれたじゃない」 「……確かに」 六条先輩はちょっと特殊か。 あれは先輩から夢に直接会いに来てくれたからな。 「と言うかメンドイわねー。何で毎年部員を確保しなくちゃならないのよ!」 「まぁ、そう言うなよ。作るのは簡単だったんだし、これくらいの条件は仕方ないだろ」 部活・同好会は毎年1人以上の部員を確保しなくては消されてしまう。 これもこの学校のルールの一つだ。面倒くさいとは思うルールだが、毎年大量の新入生が入ってくるので他の部活・同好会からしたらそれ程苦ではないルールだ。 しかし、俺達の同好会はあくまでもSFを持った人間による同好会だ。そこが崩れてしまっては意味がない。なので大量の新入生の中らからSFを持った人間を探さなくてはならない。 「あー面倒くさ。もう今日はいいや」 「え? いいのか? 俺も手伝うぞ?」 「あーもういいもういい。やっぱまずは実績作ったほうが早いわ。別に部員の確保だって新入生限定じゃないんだし。それだったら同級生や先輩に轟くような実績見せつけて、あっちから来て貰いましょ!」 そう言いながらソファから立ち上がり掛けてあった上着を手に取り出口へと向かっていく。 「どこ行くんだよ?」 「決まってるんでしょ、ビラ配りよ。もちろんあんたも来るのよ」 「え?」 「え? って何よ。昨日もやったんだから当然でしょ」 「だって昨日はまだ暖かかったけど、今日はクソ寒いぞ」 「関係ないわよそんな事、早く」 「……分かったよ」 そんな感じで今日もビラ配りが決定した。
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