畢竟
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嗚呼――――今更になって気付くなんて遅すぎる。 水面に映った私の顔は、思いの外、血色が良くて、自分が思っていた以上に人間らしかった。頭上に浮かぶ待宵の月に向けて伸ばした腕は、結局、私の表情に影を射しただけだった。 けれども、何故か落ち着いた。そうする事が、私の唯一の逃げ道だったのだろう。 けれども、私はそこで漸く自覚した。 私は、人を殺めてしまったのだと。
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