3人が本棚に入れています
本棚に追加
繊月《せんげつ》
ピンと張った糸が切れたような小さな衝動
その先端が私の胸をチクチクと刺していく
痛い
イタイ
胸の痛みの理由がワカラナイ
私の知らない誰かと口づけをするあなたが
私に気づいてあなたは
目を細めて微笑みながら
「さようなら、また明日」
切れた糸
目を細めて微笑むあなた
空には細い細い繊月
全てが私に突き刺さって
涙が流れた
涙で必死に
痛みの理由を流し去りたくて
私は泣き続ける
最初のコメントを投稿しよう!