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今日これから話す事は、決して他人に話してはいけないよ。
実は僕は、吸血鬼なんだ。いやいや、笑い事では無いのだよ。
吸血鬼である事を証明しろって? それは難しいなあ。
君は僕が食事をしているところを見た事があるかい?
無いだろう? それを証拠とは出来ないかな。
ふむ、大方納得してくれたみたいだね。
僕は人間にはなれなかったけれど、君とは仲良くしていきたいんだ。
君さえ良ければだけれど。
*
僕から話しておいてなんだけど、まさか本当に信じてくれるとは思わなかったよ。
こんな僕と居ても、君には良い事が無いだろうけど……。
それでも僕と仲良くしてくれるだなんて、君は変わっているね。
まあ、僕も変わり者だから、変わり者同士仲良くやっていこうよ。
食事はどうするのかって? 心配しなくても君の血を飲もうとは思っていないよ?
今は食事の当てがあるからね。君は気にしなくて良いよ。
ここら辺にいる吸血鬼が世話になっている、食事処があるのだよ。
君は人間だから、入る事は出来ないけれど。
もし、興味があるなら今度は、その話でもしようか?
*
ほう、興味を持ってくれたのかい? どうもありがとう。
君もつくづく不思議な人間だね。
え? 好奇心の方が強いって?
はは、それは良い事だよ。
好奇心を持たないと、人生がつまらなくなるからね。
そうだった、僕等の食事処の話だったね。
街頭で献血募集をしているのを見た事は、あるだろう?
殆んどは真面目な組織が行なっている、献血募集だ。
その中に紛れて食事処の店員が、献血募集をしているのだよ。
驚いたかい? 確かにあまりにも身近過ぎるね。
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