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先程の話では、君も随分驚いたみたいだね。
でも、定期的に血液が必要な僕等には、便利なシステムなのだよ。
している事は人間の献血と同じものだよ。
だから、人間には気付かれないのさ。
たまたま別の団体で、献血をしたと思うだけだろうね。
彼等の善意は、輸血が必要な人間にではなく、僕等の元へ届いてしまう。
それは少し申し訳ないとは思うよ。
だが、僕等も血液が必要な生き物だから、仕方ない。
無差別に人間を吸血する訳にもいかないからね。
僕等は日陰でも良いから、生きていたいのさ。
*
それじゃあ生活が大変じゃないかって?
そりゃあ、不便な事もあるさ。
僕等は普段は人間に混ざって、暮らしているのだよ。
先程の、献血募集が良い例だ。
その他にも色々な仕事をしている、吸血鬼がいるよ。
運送業、接客業、工場等、自分で好きな仕事をしているのさ。
この世界で生きていくには、何かにつけてお金が必要だからね。
僕の仕事かい? 一般的な、会社員だよ。
まあ、派遣だけれどね。1つの所に居ると、飽きてしまう性分でね。
それに正社員になると、健康診断等があるだろう?
見た目は幾らでも誤魔化せるが、中身は誤魔化しが効かないからね。
一応、 僕等はそういう事に気を配りながら生活をしているのだよ。
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