奇跡の襲来

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思う存分私を 翻弄した舌と唇が離れ けれど名残惜し気に軽くひとつキスをする。 「はると、さん」 「ん。なに?」 「まだ、するの……?」 もう何度繋がったか 何度果てたか 途中から数えることをあきらめた。 私の中に留まったまま 困ったような微笑みを浮かべ 温人さんが額をすりあわせてくる。 「足りないんだ」 「……うそ」 「嘘ついてどうするの。全然、足りない。 明日からしばらく 奈々緒と会えなくなると思うと 何度しても足りないんだよ」
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