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弟子入り
僕には最近お気に入りの店が出来た。
高校の同級生のお兄さんが勤めるビリヤード場だ。
何がお気に入りって、お兄さんがともかく格好良いのだ。
お兄さんは、つい最近ビリヤードのプロテストに受かった方で、その店の所属として、試合の無い日は店員として働いている。
性格はぶっきらぼうでちょっと怖いが、ビリヤードをしている姿は半端じゃなく格好良い。
プロだけあり腕も一流で、時々常連さん達に教える為に撞いているのを見るが、常連さん達もほとんど何もさせて貰えない。
テーブル上の全てを支配しているかの如く…まるで王様のように…
なので、教わりに行きたいのだが…
『平野さん。今日、お兄さんお店にいるかな?』
『山崎君…さん付けしなくて良いよ。同級生なんだし。』
そう応えてくれるのは、平野京子さん。
そのお兄さんが溺愛する妹さんで、ショートカットが似合う小柄な女の子で、性格はお兄さんとは正反対に見える。
まだ同級生になったばかりなのだが、いつもニコニコしていて、気さくで話し掛けやすい。
『いや…だって、あんまり馴れ馴れしくすると、お兄さんに怒られそうだし…』
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