テーブル上の王様‐高校編‐

目標

　だが、京子ちゃんや千尋さんが言うように、お兄さんは悪い人じゃ無いらしい。

　キューも玉も貸してくれた。

『別に、玉じゃなくても良いんだが…煙草の箱とか…え？お前、煙草吸わないの？高校生にもなって？』
　そんな事を言われたが…普通の高校生は煙草は吸いません…

『頭はキューの真上。ほれ。足は肩幅くらいに開け。肘から下で、振り子の運動しろ。』
　と…キューで身体のあちこちを軽く小突かれながら、親切？？…に指導してくれた。

『家で毎日500回…1週間は素振りしてこい。玉を撞くなんざそれからだ。』
　そう言われ、今日もひたすら素振りをしている訳だが…

　栗原さんには、手取り足取り優しく指導していたのだが、見なかった事にしよう。

　それからは、毎日店に通った。
　相変わらず玉は撞けないが、お兄さんの撞いている姿を見るだけで、充分勉強になる。
　京子ちゃんとも良く会えるし…良い事づくめだ。

　勿論、お兄さんとの約束も疎かには出来ないので、勉強も今まで通りやっている。
　今まで全く運動なんてして来なかったのだが、適度な運動が逆に刺激になるのか、難しい公式も以前よりすんなり頭に入ってくる。