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『何か、山崎君のフォーム、平野君に似てないか?』
そう言われた時は、嬉しくて思わずニヤケてしまった。
真似たつもりは無かったが、いつも目で追い参考にしていたから、自然とお兄さんのフォームに寄ったようだ。
毎日が楽しくて仕方なかった。
放課後が待ち遠しかった。
『京子ちゃんとも仲良くなれるしね♪』
そう千尋さんにはからかわれたが…京子ちゃんは僕の気持ちに気付いているのか…
でも、それよりも毎日が楽しくて…ずっとこんな毎日が続けば良いのに…と、生まれて初めて思っていた。
だが…
『お前、出入り禁止。』
お兄さんにそう告げられたのは、教わりだして半年が過ぎた頃だった。
『最初に約束した筈だぞ。成績は落とさないって。』
京子ちゃんにでも聞いたのだろう。
最初こそ、適度な刺激が良かったのか、成績は落ちるどころか上向き加減だったが、お兄さんが言う通り、僕の成績はこの2ヶ月で急降下していた。
授業中ですらビリヤードの事を考えているから当然だ。
『いや…でも!』
僕はすぐに言い返す気になった。
『でももヘチマもあるか。お前は何がしたいんだ?プロになりたい訳じゃ無いんだろうが。なら学校の成績が最優先なのは当たり前だろが。』
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