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そう言われてしまうと、ぐうの音も出ない。
僕が目指したのは、プロではなくお兄さんなのだから。
『言っとくが、そんな中途半端な奴に京子はやらんからな。京子と付き合いたいなら、何が一番大切か良く考えろ。』
そう通達され、借りていたキューも取り上げられてしまった。
しかも、お兄さんには僕の気持ちもバレバレだったようだ。
僕はお兄さんに憧れて…そして京子ちゃんが好きだった。
それを今、両方失いかけていた。
『何度も言うが、ビリヤードのプロ目指すなんて言うなよ。その時は、お前は二度と京子には会わせないからな。』
解ってる。お兄さんは僕の事も心配してくれているのだ。
せっかく良い高校に入ったのだから、良い大学行って、安定した職業に就けと…
解ってる。両親にだって反対されるに決まってる。
それに、僕がどれだけ頑張っても、お兄さんに勝てるようになるとは思えない。
僕は…ビリヤードの世界じゃ王様にはなれない。
…なら、お兄さんに勝てれば良いですか?なんて言える程、度胸もセンスも僕には無い。
なら…僕の答えは1つしか無かった。
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