4人が本棚に入れています
本棚に追加
『…成績が戻ったら、また来て良いですか?』
『…馬鹿が。泣くほど悔しいなら、どっちか絞るんじゃなく、どっちも両立させてみせろ。プロの中には、銀行員とか弁護士だっているんだぞ。だからお前は中途半端だって言ってんだ。』
お兄さんにそう言われ思い出す。
プロの多くは、お兄さんのようにトーナメント活動をしながら、他の仕事を持っている。
ビリヤードに夢中になり過ぎていて、視野が狭くなっていたようだ。
今、お兄さんは僕に檄を飛ばしてくれているのだ。
【男なら、欲しい物は全て手に入れて見せろ】と…
『…解りました。3ヶ月で戻ります。』
僕は言って涙を拭った。
そうして僕は今、勉強に集中している。
また、あの大好きな店に戻る為に…
『お兄ちゃんも待ってるよ♪馬鹿だから素直に言えないだけで♪』
そう言う京子ちゃんからの言葉だけで、充分やる気にさせてくれる。
すぐ戻る。きっと。必ず。
お兄さんが言うように、欲しい未来は、全てこの手に掴んでみせる。
それには努力あるのみだ。
ビリヤードも勉強も…そして恋も…
‐完‐
最初のコメントを投稿しよう!