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『う~ん…まぁどうせ練習はしてるんだろうけど…練習の虫だし。』
僕の申し出に渋い顔をする。
『ひら…京子ちゃんは今日は行かないの?』
一瞬、平野さんと呼び掛けて、慌てて言い直す。
まだ慣れていないから、つい平野さんと言いそうになる。
あまり馴れ馴れしくして、嫌われたく無いし…
だが、京子ちゃんは全く気にせず対応してくれる。
『う~ん…晩ご飯どうするか、聞きに行こうかとは思ってたけど…』
学校から、お兄さんが勤めるビリヤード場と、京子ちゃんの家は通学路らしい。
京子ちゃんの家は母子家庭で、お母さんは夜の仕事をしているらしく、いつも夕食はお兄さんの分まで、京子ちゃんが支度しているのだとか…
可愛いし、家事までこなすし、成績も良いし、そういう意味でも羨ましいお兄さんだ。
だからこそ溺愛しているのだろうが…
『じゃ、ちーちゃんや上田君も誘おうか!?ちーちゃんいれば、お兄ちゃんもそんな馬鹿な真似しないだろうし♪』
京子ちゃんは笑顔でそう提案してきた。
上田裕一と栗原千華さん…2人とも同級生だ。
上田は中学からの僕の友人で、栗原さんは京子ちゃんの親友だ。
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