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僕があんな風に輝ける訳が無い…そう思って、うつ向いてしまう。
しかし、そんな僕の様子を見かねたのか、京子ちゃんが声を上げた。
『お兄ちゃん!隼人君に教えてあげて!』
『え!?いや!京子ちゃん!?』
お兄さんは、京子ちゃんの呼び掛けに反応し、再びジロリと僕を睨んで来た。
『あ…いや…その…』
そういう僕に、お兄さんから声が掛かる。
『…嫌だ。』
と…
『あ…はは。ですよね…』
『お兄ちゃん!』
京子ちゃんは怒ったようにお兄さんに向かって叫ぶが…
『ふん。俺は自分の練習で忙しいんだよ。高瀬の奴にリベンジしなきゃならないんだからな。それに俺は、ナヨナヨした奴は嫌いだ。やりたいなら…教わりたいなら、自分で言って来い。見込みがあるようなら、最低限の事は教えてやるよ。』
お兄さんはそう言うと、再び練習を再開してしまう。
『ほら♪典孝君はちょっと怖い所もあるけど、悪い人じゃ無いよ♪自分で言ってみたら?』
そう、再び千尋さんに促される。
見ると、京子ちゃんも僕を見てニッコリ微笑んでいる。
『う…でも…迷惑じゃ…』
『あれでも、一応プロだよ♪後進の指導くらい、義務だと思ってるから大丈夫♪』
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