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ルリ送迎組+巻き添えのふたり組
【ウラウミラ】
「……行きたかったか? 温泉」
もうベッドから起き上がれるようになったウラウが、窓際で伸びをしながら、黙ってぬいぐるみと遊んでいるミラに向かって言った。
「ううん。お兄ちゃんが行かないんだったらいい」
ミラは真面目な顔をして、ウラウを見上げて答える。
ウラウは心の中で苦笑し、狼の耳をがりがりとかいた。
「気を使ってるだろ。俺に」
ミラは小さく首を横に振る。
「友達が出来たかもしれないんだぞ?」
ウラウが重ねて問う。ミラは首を振るばかり。
ウラウはため息をついて、ミラから窓の外に目を移し、一言、呟くように、
「悪いな」
と言った。
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