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【女子+α】
「さて、それじゃアタシ達も行きましょうか」
「うん!撲、温泉初めてだから楽しみだなぁ」
精霊ルリちゃんによる送迎組が出発したのを見送った馬車移動組も、出発する為に馬車に乗り込んだ
アルラの右隣にはタウが座り、向かいには左から芽衣、シャラ、ノルトと座っている
「……それにしても見事に女性ばかりね、所謂女子会ってヤツ?
セキレイが居れば完璧だったんだけど……」
「歌のお姉さんはきっとオリーブさんと一緒が良かったんじゃないかな、大好きなんだもん
あ、そういえばシャラお姉さんもあのファウストさんっていう人が大好きなんですよね?
ダンスの時も花火の時も一緒に居て幸せそうだったし、もう一人の撲がそう言ってました」
「-----っ!!?」
無邪気な笑顔を浮かべた幼い少年から唐突に投げられた爆弾発言
シャラは顔を真っ赤に染めたまま固まり、やがて芽衣やノルトにも見詰められている為かアタフタとし始めた
「な、ななな何で………っ!」
「んぅ?」
「な……何で、知ってるのっ?」
「何でって、シャラさんを見てれば分かりますよ?
撲は人の感情を感じ易い種族だから自然と人の表情とか仕種とかも見る様になって、怖い感情以外も何となく分かる様になったんです!」
純粋な瞳からは悪気は欠片も見て取れず、幼さ故に単純に好奇心と興味の赴くままに話しているのだと察したシャラは苦笑いを浮かべる
「ちょっとボーヤ、そういった話題はもっとデリケートに扱わないと駄目なんだから、他の人の前では喋ったりしないでよ?」
「お兄ちゃん達には喋っちゃダメなの?」
「うん、秘密にしてて欲しいかな…………。タウ君、お願い」
「ん、分かりました」
カタンッ
準備が整ったのか馬車がゆっくり動き始める
皆はこれから向かう温泉宿について話題を変え、話し始めるも
「…誰かが此方へ向かって来ています」
「ん?人の声………?」
馬車が動き始めて間も無く、芽衣とタウは此方へと近付く誰かの声に気が付いた
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