1人が本棚に入れています
本棚に追加
バーには誰もいなかった。
その時は突然やってきた。
カランコロンと鈴の音が鳴った。
思わず音がする方を向いた。
そこにいたのは…。
「雄大…。」
例の彼だ。
私の秘密を知り、切ない恋をした20も年の離れた元カレ…。
「やっぱり、ゆうちゃんだったのか。」
「ママ、やっぱりって?」
「彼もここの常連なのよ。何でもあんたのSNSの投稿を見て来たらしいわ。好きな彼女と別れてしまった、もう一度会ったらまた愛し合いたいって。」
「そ、そんな…。」
「だから言ったでしょう、彼はあんたよりも由依のことを想っているって。」
私は自然と、ママから雄大に視線を移した。
「由依…。俺は、お前と別れてからずっと後悔した。それで由依と会えたらと思ってたまにここのバーに…。」
彼の言葉が終わる前に、由依は抱きついていた。
(だけど、彼の隣で笑っていたい。罪深い女だと貶されても…!)
これは私と彼の物語ーーー。
最初のコメントを投稿しよう!