プロローグ

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バーには誰もいなかった。 その時は突然やってきた。 カランコロンと鈴の音が鳴った。 思わず音がする方を向いた。 そこにいたのは…。 「雄大…。」 例の彼だ。 私の秘密を知り、切ない恋をした20も年の離れた元カレ…。 「やっぱり、ゆうちゃんだったのか。」 「ママ、やっぱりって?」 「彼もここの常連なのよ。何でもあんたのSNSの投稿を見て来たらしいわ。好きな彼女と別れてしまった、もう一度会ったらまた愛し合いたいって。」 「そ、そんな…。」 「だから言ったでしょう、彼はあんたよりも由依のことを想っているって。」 私は自然と、ママから雄大に視線を移した。 「由依…。俺は、お前と別れてからずっと後悔した。それで由依と会えたらと思ってたまにここのバーに…。」 彼の言葉が終わる前に、由依は抱きついていた。 (だけど、彼の隣で笑っていたい。罪深い女だと貶されても…!) これは私と彼の物語ーーー。
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