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「いやー、なかなか上達しなくて」
イェンは肩をすぼめ、頭をかく。
「はっ! 魔道を志す者は物心ついた頃から修行を積み重ね、貴様のような中年ならそれ相応の地位についているはずだ。貴様、才能がないのだな」
「中年……俺はまだ二十五だ!」
才能がないと指摘されたことよりも、中年と言われたことに傷ついたらしいイェンは愕然として口を開けた。
「よく〝灯〟から追い出されなかったものだな。へっぽこ魔道士めが」
「へっぽこ!」
中年に続く、エーファのへっぽこ魔道士発言に、イェンは反論もできずやはり口を開けている。
落ちこぼれ無能魔道士とはよく言われてきたが、へっぽこと言われたのは初めてだ。
その横でイヴンとリプリーが目を見合わせ、くつくつと笑い肩を震わせていた。
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