終章

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「す、すごい杖ですね」  イヴンが引きつった声で言う。 「わしゃ道具にはこだわるほうなんじゃ」 「そのぶん、身なりにも気をつかえ」 「ありがたみのわからん奴じゃのう。こんなにもおまえさんのことを気にかけてやっているのに」 「はあ?」 「忘れたか? 八年前、禁忌を犯して始末されそうになったおまえを助けてやったのは何を隠そうこのわしじゃぞい!」  得意げににんまりと笑うパンプーヤに、イェンはばかばかしいと鼻白む。 「ほんとじゃぞ! 主立ったワルサラ国の重鎮の夢枕に立ってじゃな、おまえはわしの弟子でもあり、未来の大魔道士候補だから命だけは奪うなと伝えたんじゃ。わしの助言と、イヴンくんのちょっとの王族の権限に色がついておまえは救われたんじゃ」 「夢枕……弟子……大魔道士候補……」  呆然としてパンプーヤの言葉を繰り返すイェンの顔が、徐々に色を失い青ざめていく。
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