533人が本棚に入れています
本棚に追加
/481ページ
「そうかそうか。おまえさんもようやく一人の女性と向き合うことに決めたのか。うむ。あの娘はとっても良い子じゃ。大切にしてやるのだぞ。しかし、大人になるまで待つというのも、それはそれで苦行じゃのう」
しみじみと言いながら、パンプーヤはイェンの手に杖を握らせた。すかさずイェンはその杖を地面に投げ捨てる。
「おい! どさくさにまぎれて押しつけるな」
「なんてことを!」
「だいたい、あの杖がなくなってせいせいしてんだ。それに何なんだよ、その杖! 先端の灯籠みたいな飾りは!」
「さすが目のつけどころが違うようじゃな。ちなみに、この先端部分は回って光る仕掛けになっておる」
「ふざけんな!」
「そういうおまえこそふざけるんじゃない! おまえの頭の上のニワトリは何じゃ!」
「ニワトリじゃねえ!」
「コケーッ!」
二人と一羽はしばし、睨み合う。
最初のコメントを投稿しよう!