終章

9/18
533人が本棚に入れています
本棚に追加
/481ページ
「そうかそうか。おまえさんもようやく一人の女性と向き合うことに決めたのか。うむ。あの娘はとっても良い子じゃ。大切にしてやるのだぞ。しかし、大人になるまで待つというのも、それはそれで苦行じゃのう」  しみじみと言いながら、パンプーヤはイェンの手に杖を握らせた。すかさずイェンはその杖を地面に投げ捨てる。 「おい! どさくさにまぎれて押しつけるな」 「なんてことを!」 「だいたい、あの杖がなくなってせいせいしてんだ。それに何なんだよ、その杖! 先端の灯籠みたいな飾りは!」 「さすが目のつけどころが違うようじゃな。ちなみに、この先端部分は回って光る仕掛けになっておる」 「ふざけんな!」 「そういうおまえこそふざけるんじゃない! おまえの頭の上のニワトリは何じゃ!」 「ニワトリじゃねえ!」 「コケーッ!」  二人と一羽はしばし、睨み合う。
/481ページ

最初のコメントを投稿しよう!