終章

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「まさか! だって……あり得ないよ!」  そう、普通に考えたってあり得ないことだ。 「そのあり得ないことをやって、すっかりおまえの心をつかんじまったってわけだ。女ってほんと怖えよなあ」 「イェンは知っていたの? いつから?」 「最初からに決まってんだろ」 「じゃあ、エーファさんは?」 「代々王家に仕える将軍の娘だ」 「そこまで知っていたの? いつの間に?」  イェンは両手を頭の後ろで組む。 「おまえが見知らぬ異国に行くってのに、俺様が下調べも何もしなかったと思うか? 俺はこうみえて気が利く男なんだよ」
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