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戸田課長は周りを見渡し、少し声のボリュームを下げて話し始めた。
「──琴梨と言う女性の依頼なんだが。彼女が最近、彼の行動が怪しいと気になっているようだ。一日尾行に付き合ってほしいらしい。それを是非、君に頼みたい」
「はぁ。よく分からないんですけど……何で、私なんですか?」
「ミルクちゃんから君の事は聞いたよ。今の君なら、彼女の気持ちに寄り添えるだろう」
何よ?琴梨ちゃん?が"振られた"みたいな言い方しちゃって……。
「そんなの……分からないじゃないですか。まるで振られたもん同士仲良くしろみたいな……そんな言い方って……」
「まぁいい。引き受けてくれるのならば、今日21時に咲に来てくれ。君の好きにすればいい」
戸田課長はそう言うと、立ち去った。
ちょっと……。何?意味分からないし!!
蝶華さんは戸田課長に間違いないけど、悩み相談室って何?あの人何者なの~?怪しすぎる。
謎が解けるどころか、深まるばかりだった。
──21時か……(って私、行くつもりなの??)
うん、やっぱり気になりすぎる!!とりあえず、行ってみよう。とりあえず、ね?そしたら何かは分かるよね……。(本当はちょっと、わくわくしちゃってる)
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