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そこにいるだけでも意味がないのだ。むしろそこにいたならこれくらいできるでしょう?
という決められたハードルになる
社会にでて苦労しろ!
結局高卒であれなんであれ 最終的に頑張るのは親でもブランドでもない
己なのだ。
しかし、卒論を書き上げ大学をでたのが一か月前となる頃、私は本屋の人気ランキング10の一位をなんとなく立ち読みして、えっ!と声を上げた。
『太陽があがって ごはんを食べました
母親もう帰宅 aaaaaaa ゲームやめなきゃじゃん(笑)
いまどこまで話したっけ』
何ページにもわたって、なにも考えず適当に書かれているだけの文がそこにあり、とあるページに至っては全部aの連打だ。おそらく書くのが面倒くさくなったのだろう。
しかし帯には間違いなく入賞の文字。
普段小説を読まない私でもわかる。これはひどい!しかし巻末の担当のコメントをみるとどうやらこういうことらしかった。
『ここまでお読みくださりありがとうございます。
彼女は作家になりこの本を出版する為にうちの会社に総額○○○○円寄付してくださりました。感謝の証として、一か月は書店のランキング一位に固定させていただきます。
ちなみに作家様に売れ行く感激も味わってもらう為に、帯にクーポンをつけています
買った方が絶対お得です。ぜひお手にとってください』
なんだこれ、と震えて戻そうとすると
あら、いいクーポン!と叫んで主婦がその本をレジに持って行った。
試しにランキング二位に追いやられたミステリー小説を読んでみたら
起承転結がすばらしく光景がするすると映像で流れていくような作品だった。でも二位!お金を積んだ方が一位になってしまった。
「……なんなのよ……」
愕然とする。
私は今就職が決まったが、年収はよくて二百万の中小企業だ。どんどんお金の世界になっていく。私の扱いはどうなるんだろう?
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