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食事を終え、再び助手席に乗せられて海沿いの道を今度は街の方へと走り出した。
「伊織君は大学生だよね、もう、就職活動してる?」
「はい、ぼちぼち始めています。」
「そう、大変だね。今はどこも就職厳しいでしょ。」
だんだんと夕暮れがちかくなりそらも赤くそまりはじめた。
日もほとんど落ちたころ一つのビルの地下へと車は入っていった。
「ここが僕が仕事をしている場所だよ。」と車から降りエレベーターへと向かって歩きだす鏑木さんの後をついていった。エレベーターにのり最上階の9階のボタンを押すとぐんぐん上へと上昇していった。エレベーターを降りるとオフィスには似つかわしくないこげ茶のカーペットが敷かれていた。そこを歩いて突き当りのドアを開け鏑木さんは中へと僕を招きいれた。
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