決死隊

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 春風を体に受け止めながら走り続け、レナ達は心国の城へと到着した。  国王の間へ急ぐ途中で足を止め、トウマは視界に入ったユウリへと声を掛ける。 「ユウリ、状況を把握しているか?」 「トウマ殿、ご無事で何よりです。光国の事は、シンドウ様から伺っていますよ」 「ならば、すぐに動いて貰うぞ。詳細を説明するから一緒に軍議室へ来てくれ」  トウマはクミに指示を出し、先に軍議室へと向かった。残ったメンバーが国王の間へ移動すると、扉の前で待機していたタツマキが迎え入れる。  シンドウは膝を突き、レナに向かって頭を下げた。 「レナ様、ご無事で何よりです。それと……エン殿ですな?」 「父の戦にて功績を上げた、名高いシンドウ様にお会い出来て光栄です」 「ほっほっほ、今はただのジジイですぞ。それより、わしが驚かない事に疑問を感じていますな?」  いきなり心を読まれたと感じ、エンの背中に冷たいものが走る。 「こうなると思っておった……と言いたいところだが、タツマキとフブキが予測していたのです」  横に控えるタツマキが、少しだけ恥ずかしそうな表情を見せた。 「君がタツマキか……フブキと言う者は?」 「フブキは光国に潜入して、心の前国王であるカイン様と一緒に動いております。国民を第一に考えてくれるレナ様だからこそ、我々は賭けに出る事を疑いませんでした」  心国特有の絆か? それとも、レナだからこその絆なのか? 改めて繋がりの強さを感じ、未来を見据えた考えに頭が下がる。 「トウマさんはユウリさんを連れて軍議室に向かいました。私達も参りましょう」  言葉を失くしたエンに代わり、レナが場を纏めて先を急いだ。
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