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「私は……あの……具体的にどうすれば宜しいのでしょうか?」
命を懸ける事に不安は無い。自分に比べ、格段に危険なエン達の行動が危機感を煽っていた。
少しでも役に立ちたいと、気持ちが前に出た言葉だと伝わる。
「内部分裂を起こすには、シキに不満を持つ将軍の力を借りねばなりません。反乱は命を懸けるリスクを負います。エン様かレナ様が直接声を掛けないと、誰も動いてくれないでしょう。レナ様にしか出来ない使命です」
「手を貸してくれる将軍とは?」
「始国、知国、堅国、財国の前国王です。いきなり国王の位を取り上げられ、さらにシキが光国王を名乗り不満が募っています。それと、エン様やセキ殿の部下だった、ドモン、フドウ、ツバキ将軍ですね。シキはこれらの将軍を信頼しておらず、裏切る可能性を考えて光国に残しています」
「分かりました。任せて下さい」
「他に質問は……大丈夫そうですね。先程も伝えましたが、ユウリが物資の調達をしています。準備が整うまでは各自、体を休めて下さい」
張り詰めた空気が体に纏わり付き、神妙な面持ちで軍議室を出て行く。
タイミングを見計らって、シンドウがトウマだけを引き留めた。
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