決死隊

5/6
前へ
/33ページ
次へ
「私は……あの……具体的にどうすれば宜しいのでしょうか?」  命を懸ける事に不安は無い。自分に比べ、格段に危険なエン達の行動が危機感を煽っていた。  少しでも役に立ちたいと、気持ちが前に出た言葉だと伝わる。 「内部分裂を起こすには、シキに不満を持つ将軍の力を借りねばなりません。反乱は命を懸けるリスクを負います。エン様かレナ様が直接声を掛けないと、誰も動いてくれないでしょう。レナ様にしか出来ない使命です」 「手を貸してくれる将軍とは?」 「始国、知国、堅国、財国の前国王です。いきなり国王の位を取り上げられ、さらにシキが光国王を名乗り不満が募っています。それと、エン様やセキ殿の部下だった、ドモン、フドウ、ツバキ将軍ですね。シキはこれらの将軍を信頼しておらず、裏切る可能性を考えて光国に残しています」 「分かりました。任せて下さい」 「他に質問は……大丈夫そうですね。先程も伝えましたが、ユウリが物資の調達をしています。準備が整うまでは各自、体を休めて下さい」  張り詰めた空気が体に纏わり付き、神妙な面持ちで軍議室を出て行く。  タイミングを見計らって、シンドウがトウマだけを引き留めた。
/33ページ

最初のコメントを投稿しよう!

47人が本棚に入れています
本棚に追加