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「トウマ、お主だけに伝えておく事がある」
「改まって、どうされました?」
「実は……レナ様の演説を聞く前から、お主に協力すると決めていたのだ。今は理由を言えぬが、光国に潜入した際、衝撃の事実を知るじゃろう。何が起きても、冷静に判断する事を忘れるな」
「レナ様の演説を聞く前に? ……分かりました。軍師としての責務を全うします。シンドウ様が繋いでくれた希望を無駄にはしません」
疑問を残しつつ、トウマは軍議室を後にする。
そして、一人残ったシンドウが呟く。
「これで満足じゃろう? 年寄りをこき使いおって……さて、老骨の最後の仕事が残っておる。レナ様を信じて、光国の猛攻を防がねばなるまい」
大きく息を吸い込み、余力を全て注ぎ込む覚悟でシンドウも動き始めた。
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