VSエドルガー王国

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魔皇歴1205年。数多の国が勃興を繰り返し、現在の国境線が築かれた。 そしてこの年、魔界全土を巻き込む大戦へと時代が移り変わるのであった。 ‘突撃、突撃’ 狂樂國第21大隊の大隊長のエマルが攻撃開始の命令を下す。しかし、敵国兵士の絶え間の無い銃撃の前に無残にも斃れていく。 狂樂國は隣国のエドルガー王国からの『不意の侵略』を受け、国境線から数十キロの位置まで退却を余儀なくされていた。西部戦線を指揮していた隊長は戦死。副隊長が指揮権を握っているものの指揮系統は崩壊していた。地に斃れる者、錯乱し銃撃に撃たれるもの、ひたすら塹壕で震えて死を待つ者。指揮官を失った兵士など恐れるものではなかった。 エドルガー王国第1中隊の騎兵が狂樂國21大隊の前線を崩すべく突撃を敢行する。虚空に突撃ラッパが響いた。 高らかに響くラッパの音は自国兵士を勝利へと誘う戦勝の意。そして敵国兵士を死へと導く絶望の意であった。
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