第12章 (1)アルバートside

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第12章 (1)アルバートside

半年前、孫娘のアカリから懐妊の報せを受けた。 私と、私の息子でありアカリの父親ギルバートとの気持ちのすれ違いから彼女とはずっと疎遠だったが、ある男との出会いによって私達は和解した。 伝説の何でも屋。 夢の配達人の”ヴァロン”。 彼は私達家族を再び結び付けてくれただけでなく、アカリを妻に娶りずっと守り抜くと誓ってくれた。 初めは半信半疑だったがパッと見の軽そうな印象とは違い、何度も私の元を訪れアカリとの結婚を認めてほしいと頼みに来た誠実さ。 アカリが心から笑顔でいられる様にと、彼女との婚姻で結ばれる筈だった大手会社との友好関係を自らを犠牲にして成立させてくれた。 この男になら、孫娘を任せても大丈夫だと思った。 息子のギルバートは、私の妻に瓜二つ。 そして孫娘アカリはギルバートに瓜二つ。 ……つまり、アカリは私の妻に良く似ていた。
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