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「もうすぐ、この桜が満開になる…
私のお母さんは、私の誕生日の頃に咲くこの桜が大好きだった。
でも、お母さんがいなくなってからは、この桜を見るのが毎年辛かったの…
だから、今日この場所で、ミンジュンさんにプロポーズされた事が夢みたいで…
神様って本当にいるのかな~なんて、本当に思っちゃった。
この桜の木があるこの公園の素敵な風景は、私が9歳の頃の記憶で終わってたけど、また今日から動き始めたみたい。
これからはミンジュンさんと、この桜の花を見れるよね…
来年も再来年もずっと…」
ミンジュンは詠美の手に指を絡めて握り返す。
「もちろんだよ…
俺達は、おじいちゃんとおばあちゃんになって、命が尽きるその時まで一緒にいるんだから。
だから、もう、詠美に寂しい思いは絶対にさせない…
俺は詠美より一分でも一秒でも長生きをするよ。
詠美の最後の日には、俺が、ちゃんと詠美の手を握っていられるように…」
俺が詠美を溺愛する理由…
詠美と出会ったその日から、俺の世界は廻り始めた。
俺の救世主が、やっと俺を見つけてくれた。
恋に落ちるのに理由なんてない。
俺達は、この瞬間を夢見て、きっと、生まれてきたんだ…
後にも先にもない、一世一代の恋をしよう。
俺達はそれだけのために、辛い日々を乗り超えてきたのだから…
end
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