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「本物の恋人を知らない?
……じゃ、今から俺が教えてあげよう」
ミンジュンは詠美の手を取り、全面窓ガラスの最高の夜景を眺められるプライベートルームへ連れて行く。
そこはあまりにもプライベート過ぎて、詠美は入った事がなかった。
このプレジデンシャルスィートルームを借りている人間の特権だと思っていたから。
6畳ほどのその部屋は、まるでシアタールームのようだった。
百万ドル以上の夜景は映画に出てくる夢の世界を現実にしてくれる。
ミンジュンは詠美を一番よく夜景が見えるソファに座らせた。
そして、サイドボードを詠美の座っているソファの横に付けて、ミンジュンはこの部屋に完備されているカクテルバーで何かお酒を作り出す。
詠美はそれよりも何よりも窓から見える東京の夜景に釘付けだった。
自分が生まれ育った東京の街の違った景色を見る事は、本当に楽しい。
今までも何度も東京の夜景は見てきたが、この部屋の窓から見える夜景は今までのどの夜景よりも素晴らしかった。
詠美が立ったまま窓の向こうを見ていると、ミンジュンが真っ青な海の色をしたカクテルを持って隣に来た。
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