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その音で詠美は我に返った。
そんな詠美の様子をミンジュンは笑顔で見ている。
好きだとか、愛してるとか、その手の言葉はたくさんあるけれど、でも、今の俺の気持ちを伝える言葉は一つもない。
後にも先にも詠美しかいない…
俺の魂も心臓も血も肉も全てで、詠美を愛している。
俺は自分が生まれてきた意味をやっと見つけた気がした。
こんなに素直に自分を見つめるのっていつぶりだろう…?
いつぶりなんかじゃない、俺にとっては何もかもが初めての事…
自分を見つめるなんて、そういう事すら考えた事がなかったのに。
詠美はこうやって俺に小さな幸せを運んでくれる。
詠美は窓の向こうの夜景をぼんやりと見ていた。
ミンジュンからの愛の告白は全くいい加減なものではなくて、ちゃんと真剣に自分の気持ちを伝えてくれた事はよく分かった。
だから、なおさら、詠美はパニックになっている。
いい加減で遊びを含んでいる告白だったら、詠美もそれなりに納得できたのに。
もう、心臓が飛び跳ねて痛いくらい…
ミンジュンの愛の告白は、ストレートに詠美の心に届いた。
その告白を受ける事で、自分の未来がどう変わってしまうのか不安な事はいっぱいあるけれど、でも、今は、ミンジュンさんのためにも自分のためにもこの幸せを満喫したい。
「詠美…?
何か言ってくれよ…」
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