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「詠美、今を楽しもう…
先の事なんて、その時に考えればいいんだ。
俺は、今、この時間を大切にしたい…」
ミンジュンは自分でそう言った後、自分自身に対して鼻で笑った。
「詠美、恋って凄いな…
今の俺は丸裸で、心に浮かんでくる気持ちを素直に言葉にしてる…
詠美に出会う前のひねくれた俺からは、想像がつかないよ。
だから、未来って、何が起こるか分からないんだ。
今の俺がいい証拠だよ…」
ミンジュンは抱きしめている詠美を自分の隣に戻した。
ソファにもたれ、窓の向こうの漆黒の闇を見つめる。
でも、今日は、漆黒の闇に浮かぶ色とりどりの光が目を刺すようによく見える。
詠美に出会い、見えなかった物が突然見え始めたみたいだ。
俺の中のひねくれて閉ざされた漆黒の闇に、小さな灯りが灯った。
詠美という小さな灯りは、俺の中に温もりと優しさを吹き込んでくれる。
「詠美…?
俺のしるしをつけていい…?」
ミンジュンは我慢できずに詠美をソファに倒した。
「しるし…?」
詠美は大きな目を更に大きくしてキョトンとした顔で、ミンジュンを見る。
ミンジュンは以前感じた疑念を思い出した。
…まさか、詠美は処女??
でも、今ではその方がいいと思っている。
年齢は関係ない、その方が晴れて全て俺の物になる。
「詠美…
もしかして、セックスって…
初めてか…?」
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