愛されるよりも愛したい

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テヒョンは黙っていられずミンジュンを睨み、つい反論してしまった。 「…そうは言わないけど。 でも、ミンジュン兄さんの詠美に対する執着は、誰が見たっておかしいと思う。 俺が知ってるミンジュン兄さんじゃないよ。 四六時中一緒にいて見張られて、俺と日本語の勉強をしている時も怯えながら時計を見て、お金で買ってないとしても精神的に詠美を縛り付けてる。 俺は… 俺は、詠美を救ってあげたいって思っただけ。 詠美は、今の俺にとっては、大切な存在だから…」 ミンジュンはテヒョンの最後の言葉を聞き、バカらしくて鼻で笑った。 きっと以前の俺なら、この場でテヒョンを殴りつけ即韓国へ帰していたに違いない。 でも、昨日の詠美の言葉が俺にブレーキをかける。 …まずは、人を許すことから始めなきゃ。 愛情豊な人間は人を許すという行為を、きっと食事をするように簡単にできるのだろう。 ミンジュンは不思議な感覚に囚われていた。 昨夜の詠美の肌の温もりが、三日月の目の可愛いい笑顔が、ミンジュンの中の怒りをかき消していく。 「テヒョンもジノも、よく聞いてほしい… 俺は詠美とつき合ってる… 体が目的とかそんな不純なものじゃなくて、真剣に愛してる… だから、俺の行動はそこからくるものだから、大目に見てほしい。 人を愛するなんて初めての事だらけで、訳が分からないのが今の現状だ。 だから、テヒョンの事も許す。 お前は、今するべき事をちゃんとしろ」
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