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俺はその言葉を忠実に守った。
元々、自分にも他人にも興味がなかったミンジュンは、すぐに適応した。
金と名誉のためならセレブな中年女性に買われる事も厭わない。
俺とミンジュンは、この地位に上るまでに何でもやった。
甘いマスクで絶対的人気を得たミンジュンは、自分の薄っぺらい愛をばらまいて、お金と地位を不動の物にした。
そんなミンジュンが心底惚れた相手が、そういう世界も何も知らない普通の純粋な女性だなんて皮肉過ぎてため息しか出てこない。
「ジ、ジノさん、何か私の顔についてますか…?」
詠美はアイスコーヒーにミルクやシロップを入れながら、ジノの痛い程の視線を長い時間感じていた。
「あ、ごめん…
それより、詠美は韓国語が上手いよな。
スタッフの皆といつも褒めてるんだ」
詠美はクールであまり笑わないジノから笑顔でそう言われ、さっきまでの緊張はどこかで飛んで行った。
「…ありがとうございます。
韓国の人にそう言われるのは、本当に一番うれしいです」
詠美はクシャっとした笑みを見せ、頂いたアイスコーヒーを口にした。
「はあ… 美味しい…」
今度はジノが笑った。
ジノはこの場に詠美を呼んだ時点で、詠美にとってはきつい事を話すつもりでいた。
でも、やめた…
きっと、この子は、必要以上にミンジュンを傷つける事はないと確信したから。
この子は、ミンジュンのトラウマも過去も全て知っているのだろう。
ミンジュンが心を開いて恋人として詠美を受け入れるという事は、もう、ミンジュンは丸裸で詠美に包み込まれているという事だから。
ジノは詠美とアイスコーヒーを飲みながら、ミンジュンが詠美と死ぬまで寄り添える方法はないかと親友として真剣に考えた。
ミンジュンがやっと見つけた幸せを、俺も一緒に守ってやりたい…
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