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ミンジュンのお母さん達のように後悔はしたくない。
もし後悔するとしても、二人で話し合って出した結論ならそれでいい。
ミンジュンはやっとこちらを向いてくれた。
顔つきは険しく柔らかさは見えないけれど、でも詠美の目を反らさずに見つめている。
「以前の俺なら、無理やりにでも詠美を俺の物にしていたと思う。
詠美の実家に大金を払って、詠美を物みたいに買っていたかもしれない。
でも、今の俺は、詠美の笑顔を失くしたくないんだ…
詠美を無理やり韓国へ連れて行く気にはなれない。
だって、詠美は、日本を離れられないだろ…?
詠美から大切な家族を奪う気にはなれないよ。
あの家は詠美がいなきゃ、太陽が昇らない毎日を過ごす事になるはずだから…」
ミンジュンは振り返り、佇む詠美を優しく抱きしめた。
「詠美は家族を捨てられないし、捨てちゃだめだ…
俺は遠距離恋愛なんて性に合わないし、中途半端に詠美と繋がっている事の方が俺にとってはきっと不幸なんだ…」
ミンジュンの口はそんな綺麗事を並べているが、でも本能は、詠美を絶対手離したくない。
頭と心が一致しないダメダメな俺は、詠美を苦しい程に抱きしめた。
いつの間にか涙が流れ、詠美の柔らかい肌に俺の情けない涙がこぼれ落ちる。
ミンジュンは荒々しく詠美の口を塞いだ。
どこにも行き場のない思いが、詠美を離すなとミンジュンの思考を乗っ取っていく。
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