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ミンジュンは詠美に手を取られ、大きな浴槽に足を伸ばして浸かっている。
ミンジュンの長い足の間には、幸せそうな顔をしたお風呂を満喫している詠美が、ミンジュンの真正面に座っていた。
このバスルームの窓は、湯気がもくもく上がっているのに、二人に100万ドルの東京の夜景を見せてくれる。
ミンジュンは、詠美の頭のてっぺんにあるお団子の髪を触って遊んだ。
何も追求せず何も考えず、こんな風に詠美にただ触れて遊んでいたい。
でも、そういう風に思う事自体、俺はきっと大切な事から逃げている。
「ミンジュンさん…
さっき、ミンジュンさんが話した事を聞いて、私がミンジュンさんに伝えたいって思ってた事を、ミンジュンさんは全て分かってくれてたんだなって感動した…
私達は、きっと、お互いを思いやって、お互いのためにと、辛い別れを選ぼうとしている…
私、実は、ミンジュンさんのお母さんと別れた後、色々考えたくて、このホテルの周りをグルグル散歩したの。
たくさんの物事が私の頭の中にギューギューに詰まっていて、でも、散歩しながら、大切な事柄だけを仕分けした。
とりあえず、解決できる事やそんな重要じゃない事は、歩きながらその場所に捨ててきた。
そして、今の私の頭の中に残っているのは、ミンジュンさんの事と、お父さんの事…
想定内なんだけどね…」
クスっと笑って肩をすくめる詠美を、ミンジュンは切ない目をして抱き寄せた。
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