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「だからね…
まだ出会ったばかりなのに、もう別れる事を考えるのはやめにしようと思って。
ミンジュンさんは韓国を拠点として仕事を展開してて、私は日本でお店を守らなきゃならなくて、でも、今の韓国と日本は、国内を旅行するより簡単に行き来できる。
ミンジュン王子のおかげで、ソウル東京間の飛行機なんて何便も飛んでるし、飛行機代も格安だし、日帰りだって余裕でできる」
「何だよ… ミンジュン王子のおかげって」
ミンジュンは自分の功績には全く気付いていない。
でも、詠美はそれでいいと思った。
これは詠美とテヒの秘密の話に出てくる、いい話の一つだから。
「だから、しばらくはそういう付き合いをしていこう…?
一年後か、二年後には、状況が変わってくるかもしれないし」
「状況が変わるって、例えば?」
ミンジュンは水を止めた。
温いお湯のままの方が穏やかに寛容に詠美の話を聞けるから。
「例えば…
うちのお兄ちゃんがお店を継ぐ事になるかもしれないし、もしかしたら、ミンジュンんさんの会社が日本で大成功して、ミンジュンさんが日本に住めるかもしれないし…
あ、でも、後の方はないか…
それは私のただの願望だった、ごめんね…」
ミンジュンはその事には何も触れず、詠美をまた優しく抱きしめる。
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