理想と現実の狭間の二人

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詠美は何も言わずに俺の胸にもたれかかっている。 でも、せっかく結婚の話をしたのに、何のコメントもないなんて… 「詠美…?」 「…あ、ごめん… なんか、のぼせたみたい…」 ミンジュンは詠美を抱き上げ立ち上がった。 顔を真っ赤にした詠美の大きな目は半分とろんと閉じている。 「詠美、水風呂に入るぞ」 「え、あ、それは、いいです…」 のぼせているのにはっきりと断る詠美は、よっぽど水風呂が嫌いなのだろう。 ミンジュンは軽く笑いながら、詠美の足先に水を優しくかける。 「…気持ちいい」 ミンジュンは詠美の足元にゆっくりと水をかけながら、さっきのプロポーズの事を考えた。 多分、のぼせ上がっていた詠美には、半分も伝わっていない。 ま、いいか… あとで、ゆっくり、ちゃんとプロポーズをしよう。 俺と結婚してくださいと… そして、死ぬまで何があっても離さないと…
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