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ミンジュンはムカついたふりをしている。
見透かしたみたいに何言ってんだ?と俺の顔を睨みながら。
「お前に言われなくてもそうするよ。
あと、ジノ…
俺は詠美と結婚する。
でも、今すぐにはできない事情があるんだ。
俺が韓国に帰ったら、仕事の事でお前に相談がある。
ま、今までも、不可能を可能にしてきたジノ様だから、俺はお前を信頼してる、心から」
ジノは嫌な予感がしたが、とりあえずミンジュンに笑みを見せた。
ガキの頃から、俺はミンジュンをずっと守ってきた。
孤独と戦う小さな戦士のようだったミンジュンは、いつも危なっかしくて、でも心を許した人間には命を差し出しても構わないくらいの深い愛情で包み込んだ。
子供の時から漠然と思っていた。
俺は、きっと、ミンジュンを守るために生まれてきたのだと。
「詠美、短い間だったけど、楽しかったよ。
でも、韓国にも遊びに来るんだろ?
いつでも歓迎するから、待ってるよ…
あ、それと、あいつにも優しい言葉をかけてやってくれ。
何だか失恋した気分になってるみたいだからさ」
空港は夜の最終便ということもあり、人がまばらだった。
ジノは詠美にそう言うと、隅っこで煙草を吸っているテヒョンを指さした。
詠美がテヒョンに近づくと、テヒョンはすぐに気が付いて困ったように笑った。
「詠美、日本語を教えてくれてありがとう…
あと、詠美はミンジュン兄さんと上手くいってるみたいだね」
詠美はコクンと頷いた。
「テヒョンは、映画のオーディションを頑張って。
私と一緒に頑張った日本語は、もうテヒョンのものにちゃんとなってる。
だから、絶対、合格できるから、自信を持ってね」
詠美はテヒョンの手を握った。
テヒョンの存在は、詠美にとっては欠かせないものだった。
友達として、これからもずっと応援していきたい。
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