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「…ミンジュンさん、そんなに色々な事を抱え込まなくてもいいんだよ。
詠美がミンジュンさんと一緒になりたいと思っているのなら、私達は反対はしない。
詠美が幸せになる事が、それが一番だから…」
ミンジュンはまだ頭を下げている。
詠美の幸せを誰もが願っているのは百も承知で、そして、その幸せの中にはお父さんの幸せもお店の繁盛も入っている。
ミンジュンは全てを受け入れ、全てを叶えたいと思った。
いつになるかは分からないけれど、必ず笑顔で、詠美を迎えにここへ帰って来る。
その日の夜、ミンジュンは初めて経験する寂しさに戸惑った。
詠美の実家からホテルへ帰ってくると、急激に寂しさが押し寄せてきた。
ミンジュンの頭の中では、詠美と結婚するための準備と整理のために少しの間離れ離れになるとしっかり納得したはずなのに、心と体はその少しの間が我慢できないと叫んでいる。
詠美の様子もおかしかった。
明らかに泣くのを我慢している。
「詠美、お風呂に入ろうか…?」
詠美は笑顔で頷くが、涙がポロポロと零れている。
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