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「ミンジュンさん、実はね、さっき、このスィートルームの全部の部屋を写真に撮ったの。
この部屋は、私にとって、とても大切な部屋だから。
一気に幸せが訪れて来た。
最初はこんなお姫様しか泊まれないような部屋にミンジュンさんが泊まっていいって言ってくれたこと。
そして、ミンジュンさんと結ばれたこと…
ミンジュンさんと離れてしまっても、この写真を眺めて頑張る…
本当に楽しかった思い出ばかりだから」
ミンジュンは胸が苦しくなって、詠美の腕を掴み自分の胸に引き寄せた。
「そんな長くは待たせないから…
っていうか、きっと、俺が無理だ。
さっさと準備を整えて詠美を必ず迎えに来る」
詠美は小さく頷いた。
今はミンジュンのこの言葉だけでいい。
詠美の心の片隅に、どうしてもいなくならない不安が住みついていた。
ミンジュンのお父さんとお母さんのようにはなりたくない…
二人も別れる時に約束をした…
大学を卒業したら、テヒを迎えに行くからと…
「よし、お風呂に入るぞ。
俺にとっては、お風呂様様なんだから。
このお風呂があったおかげで、最初の頃の詠美を繋ぎ止めておけた。
そうだろ?」
詠美はおかしくて笑った。
確かにこのお風呂に魅了されて、この部屋に留まったのは事実だから。
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